1990年総評
バンドブームが下火となり、かわってCMやドラマによるタイアップという手法がチャートを動かすようになった年であった。前年の総評でもあげたが、バンドブームにのっかったロックが、生き残りを賭けどんどんメロディアスになり、大衆を意識した閉鎖的音楽になっていったの対して、ポップミュージックはどんどん自由で創造性あふれるものとなっていき、サイケデリックやアバンギャルドな要素をはらんだスリリングなものになっていった。
皮肉にも本来ロックが持っていたものがポップミュージック側にあらわれたのである。
BOX や THE 真心ブラザース、岡村靖幸 などがそうだが、特に高野寛の活躍は目覚しく、90年代を強く意識したアルバム「CUE」は、サウンド面においても 詩においても深く練りこまれて作られており、90年代の傑作の一枚といえる。
結局、ブームが過ぎ去り多くのバンドが消えていったことで、バンドブームは一種の「踏み絵」のような役割を果たし、良質でない(力量のない)アーティスト と、音楽を愛していない販売側を見事にあぶり出し、駆除する役割を果たしてしまった。
また、冒頭に述べたようにタイアップが主流となったのも今年である。テレビから半ば強制的に視聴者の耳に刷り込んでいくこの手法にも、タイアップされたドラマなどのイメージが曲にまとわりつき、その曲が本来持っているイメージが伝わらないという批評があがった。
また、テレビ番組という短いサイクルに合わせて曲が発表されていくため、1曲の寿命が極端に短くなっていった。
今年最大のヒットであるB.B.クイーンズが後の織田哲郎プロデュース作品(大黒摩季etc.)の足がかりとなったこともあげておきたい。
reflectionsが選ぶ 1990年BEST ALBUM
①高野 寛「CUE」
②KATZE
「LOVE IS HERE」
③SCANCH
「恋のウルトラ大作戦」
④ZIGGY
「KOOL KIZZ」
⑤SHADY DOLLS
「HAPPY SWING」
⑤山下 達郎
「JOY」
⑤PASSENGERS
「EXIT」
1990年アルバムセールスBEST 10
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松任谷由実
「LOVE WARS」
161.2万枚
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サザンオールスターズ
「稲村ジェーン」
117.3万枚
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プリンセスプリンセス
「LOVERS」
80.2万枚
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渡辺美里
「tokyo」
77.2万枚
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杏里
「MIND CRUISIN'」
72.0万枚
-
サザンオールスターズ
「Southern All Stars」
70.7万枚
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今井美樹
「Ivory」
66.2万枚
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久保田利伸
「BONGA WANGA」
66.1万枚
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今井美樹
「retour」
57.4万枚
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岡村孝子
「Kiss」
56.7万枚
1990年シングルセールスBEST 20
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B.B.クイーンズ
「踊るポンポコリン」
130.8万枚
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米米CLUB
「浪漫飛行」
61.9万枚
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LINDBERG
「今すぐKiss Me」
61.0万枚
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たま
「さよなら人類/らんちう」
57.7万枚
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プリンセスプリンセス
「OH YEAH!」
56.8万枚
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中森明菜
「Dear Friend」
54.8万枚
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ブルーハーツ
「情熱の薔薇」
51.1万枚
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工藤静香
「くちびるから媚薬」
48.9万枚
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サザンオールスターズ
「真夏の果実」
47.4万枚
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ダイアナ・ロス
「If We Hold On Together」
46.2万枚
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氷室京介
「JEALOUSY を眠らせて」
45.4万枚
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PINK SAPPHIRE
「P.S. I LOVE YOU」
45.2万枚
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山下達郎
「クリスマス・イブ」
44.9万枚
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ドリームズ・カム・トゥルー
「笑顔の行方」
44.6万枚
-
オヨネーズ
「麦畑」
41.7万枚
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牛若丸三郎太
「勇気のしるし」
41.0万枚
-
米米CLUB
「浪漫飛行」
40.6万枚
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徳永英明
「夢を信じて」
39.7万枚
-
GO-BANG'S
「あいにきて I・need・you」
37.8万枚
-
堀内孝雄
「恋唄綴り」
37.0万枚
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