1987年

1987年総評

広島平和記念のチャリティーコンサートが行われた。10年計画である。 最初の数年は、参加者もそうそうたるものであった。 チャリティーに関する考え方はさまざまだが、後にバンドバブルブームが しぼんだ後、この広島チャリティーが規模縮小していったことからあきらかなように、 結局、この時期のチャリティーというものは産業に乗っかったものであった。
松任谷由実や角松敏生が言うように、ミュージシャンは作品を聞いた人が自主的に チャリティーをしたくなるようなすばらしい作品を作るべきであるという考えが 正しかったのかもしれない。

また、尾崎豊の逮捕も衝撃的であった。彼はすばらしい作品を作りつづけていたが、 周りの宣伝戦略により作られた「大人の作った無意味なシステムに反抗する少年」という人物像から 脱却できず苦しんでいた結果起きた事件であった。

結局、音楽界は、この2つの重大な問題に明確な答えを出すことなく、産業に飲まれたまま やがてくる「バンドブーム」を迎えてしまうのである。

さらに、今年デビューしたバンド(ブルーハーツやレピッシュ、ザ・プライベーツ、BUCK-TICK、ZIGGY、SHADY DOLLS)らをバンドブームといっしょに見る人もいるが、この時点で未だバンドブームは起きていない。彼らをバンドブームに乗っかってきたものとみなすのは誤りであることを指摘したい。

reflectionsが選ぶ 1987年BEST ALBUM

①久保田 利伸
「Groovin'」
②稲垣 潤一
「MIND NOTE」
③大沢 誉志幸
「SCRAP STORIES」

1987年アルバムセールスBEST 10

  1. 荻野目洋子
    「ノン・ストッパー」
    68.6万枚
  2. 松任谷由実
    「アラーム・ア・ラ・モード」
    68.5万枚
  3. 中森明菜
    「クリムゾン」
    60.1万枚
  4. サウンドトラック
    「トップガン」
    58.5万枚
  5. マイケル・ジャクソン
    「BAD」
    54.5万枚
  6. BOφWY
    「PSYCHOPATH」
    49.6万枚
  7. 安全地帯
    「安全地帯Ⅴ」
    46.5万枚
  8. 杉山清貴
    「realtime to paradise」
    45.8万枚
  9. 渡辺美里
    「BREATH」
    44.9万枚
  10. 松田聖子
    「Strawberry Time」
    42.9万枚

1987年シングルセールスBEST 20

  1. 瀬川瑛子
    「命くれない」
    42.3万枚
  2. 中森明菜
    「TANGO NOIR」
    34.8万枚
  3. 吉幾三
    「雪国」
    33.7万枚
  4. 光GENJI
    「STAR LIGHT」
    31.8万枚
  5. 松田聖子
    「Strawberry Time」
    31.7万枚
  6. 中森明菜
    「難破船」
    30.5万枚
  7. 中森明菜
    「Blonde」
    30.1万枚
  8. 尾形大作
    「無錫旅情」
    29.7万枚
  9. 五木ひろし
    「追憶」
    28.2万枚
  10. 少年隊
    「君だけに」
    28.1万枚
  11. 小泉今日子
    「木枯らしに抱かれて」
    27.9万枚
  12. 長渕剛
    「ろくなもんじゃねえ」
    27.3万枚
  13. 徳永英明
    「輝きながら…」
    27.2万枚
  14. 南野陽子
    「楽園のDoor」
    25.9万枚
  15. チェッカーズ
    「I Love you,SAYONARA」
    25.8万枚
  16. 少年隊
    「stripe blue」
    25.2万枚
  17. 中山美穂
    「WAKU WAKUさせて」
    23.7万枚
  18. 南野陽子
    「話しかけたかった」
    23.2万枚
  19. 少年隊
    「バラードのように眠れ」
    23.1万枚
  20. BOΦWY
    「マリオネット」
    23.0万枚



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