1999年3月28日　宇多田ヒカルと安室奈美恵

今、宇多田ヒカルが大ブームである。マスコミは「平成の歌姫」、「10年に1人の天才」と賞賛している。
それはともかくとして、レコード店などに行くと猫も杓子も「宇多田」のCDを買っているのを見て、
2年前の「あの人」のことを思い出してしまった。
そう。安室奈美恵である。
いまさら説明しなくとも、ご存知とは思うが、誰もが安室の卓越した歌唱力に酔い、
そのファッションを真似た「アムラー」が社会現象にまでなったものだ。
確かあの時も、「10年に1人の天才」などという賞賛の声があったものだ。
あの時、CDを買った数百万の人は、今も熱狂的な安室リスナーなのだろうか？
今、宇多田ヒカルが大ブームなのを見て、「いや。安室のほうが上だ」と反論するだろうか？

答えは、NO だろう。
なぜなら、両者のリスナーの大半はまったく同質、つまりアムラーがウタダーに鞍替えしただけだから。

もし今、安室と宇多田がユニットを組んだら、1000万枚売れると思います？

今の宇多田ヒカルを支えているリスナーには極めて「バブリーな人たち=表層的流行追随者」
が含まれていることは間違いない。
(といっても宇多田そして彼女の音楽がバブリーだとは思わないが。)

今までバブリーなリスナーに媚を売って、結局自分の音楽を崩壊させ消えていったアーティストは
星の数ほどいる。

逆に、松任谷由実やミスターチルドレンなどは、自身に「ブーム的ヒット」が出ても、
その後いったんヒットチャートに対する意識を「リセット」し、表層的リスナーを「オミット」し、
自身の音楽をしっかりと守り通した結果、現在も第一線級で活躍している。

安室も宇多田もすばらしいシンガーなので、自分を見失うことなく末永く活動してほしい。
また、リスナーもずっと応援してほしいものだ。